公明正大の方法によつて、最も自由に徹底的の討議を
(牧口常三郎)


 宗教革命といふと、信仰の自由を保証した憲法に抵触しはせぬかと心配するかも知れないが、思はざるの甚しいものである。国民の好まざる不利、不善のものを強ひんとすれば、無理な統制もせねばならぬが、水が低きにつく如く知りさへすれば必ず従ひ、好んでそれに従はねばならぬ、最大利善の宗教であつて、公平に比較検討するときは他の如何なる宗教宗派も、必ず降伏せざる能はざる性質のものであるから、公明正大の方法によつて、最も自由に徹底的の討議をなさしめ、宗教それ自身の理法によつて判定せしめさへすればよいのである。各宗各派から、其の依経又は教義でなければならぬ理由と、之を証明する価値とを、他と比較対照して提出せしめるならば、容易に価値の有無も、其の勝劣も判定されるであらう。それには劣等者は恐慌を((きた))さうが、之は早晩起らなければ、国民の幸福が保証されぬといふことさへ覚悟すれば何でもないであろう。無益、有害なるものをいつまでも黙許する必要はない。

(斎藤正二他編『牧口常三郎全集』第十巻、第三文明社、1987年、p. 23)

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