宇宙生命それじたいを本体とする法身大日如来(宮坂宥勝) |
マンダラの実践的な意図とするところは、宇宙生命によって象徴され、宇宙生命それじたいを本体とする法身大日如来と自己との合一をめざす(我則大日)ところの、いわゆる即身成仏の実現にある。
このように絶対者(マクロ・コスモス)と自己(ミクロ・コスモス)との合一は、一般的には神秘的合一(unio mystica)とよばれるものである。このような意味での一体観はすでにインドでは古期ウパニシャッドの時代の梵我一如の思想にもとめることができる。自然と自己との一体観は、動植物などの生の横溢するインドの風土に生まれたものであった。